おおまちかおりさんの「世界共通!食べること」のはなし(5/5)- すべてが結びつく

2018.10.07コラム

5月から毎月最終火曜日にオノベカにて開催している「働く女」。女性の多様なキャリアについて実際にお話を聴く会です。

その第2回目のゲスト・おおまちかおりさんが実際にお話しされたことの連載最終回です!

第1回 スローフードは「美味しい・正しい・きれい」

第2回 親に給与明細を見せられる中2時代

第3回 ライターの道へ

第4回 アメリカの学生たちと行うフィールドワーク

 

すべてが結びついた

こういうことが今現在の仕事に結びついていくんですね。食を巡って、農家さんたちと仲良くして、国際教育プログラムやバスツアーの企画もして、日本語を教えて…。

そうしたら4年前に滝川市役所と一般社団法人滝川国際交流協会から、JICAから受託をしている農業や自然環境教育関連を行う担当者を探しているということで、フリーだし今までやってきたこと全部活かせるよね、ということで引き受けました。

今は4年目で、年間3,4本くらいJICAのコースを担当しています。機関の名前を使って、毎年アフリカ、ベトナム、モンゴルなど、色んな国のひとたちのお世話をしていて、来週からも始まります。

取材で周っていた農家さんや農業研修の施設、エコツーリズムや野外教育をやっている方たち、全部メール1本で「行っていい?」って聞いてます。

色々あったけど干支一回り以上して、今までやってきたことが全部つながって仕事ができているなと思います。

何がよかったって、わたしおしゃべりでしょ?ひとと話すのが大好きだし、会って話してなんぼと思っているので、呼ばれたら行きますよ。

色んなひとと会って、色んなひとと話をして、ネットワーク作ってね、若者よ!

 

世界共通「食べる」こと

空気も吸うとかもそうだけど、食べるって人間に一番身近というか、開発途上国とか戦場とか、飢えてる人もいるけれども、排せつ、水を飲むこと、食べることってどこの国のひとでもやっていることですよね。

日本にいたら贅沢過ぎてありがたみがわからないし、食糧廃棄の問題もあるけど、ちょっとずつ今日ここにあつまったみんなや興味のあるひとたちだけでも、旬のものを旬のときに自分の食べる分量だけを買う。それ以上になったら保存とかもあるじゃないですか。

わたし、疲れたら身体がトマトを欲するんです。頭の中が「トマト、トマト~」ってなって、疲れていても野菜があったらトマト煮込みにしちゃいます、火にかけておけばできるじゃない?

そうめんにトマトを入れてサラダそうめんにしたり。夏の終わりから秋にかけては、トマトピューレ作ってソース作って、あとはまるごと冷凍庫に入るだけいれちゃう感じです。

自分が疲れたときの脳みそが「トマト欲しい」っていうのをちゃんと満足させるために、トマトだけは冷凍庫にあります。

そういう身体と頭の欲することとか、20代越えればなんとなく自分の身体や心と対話できるじゃないですか。それと一緒に暮らしていくのが大事かなと思っています。

ライターのときもそうだけど、農家さんのところを周っても、食べないと感想書けないじゃないですか。

だから、魚なんかもトロ箱で買って来たりして、取材から帰ってきたらまずパソコンの中にカメラのデータを入れる。何日か出かけているから洗濯機を回す。今度、魚をどんどん下ろしはじめて、干す・煮魚・から揚げ・昆布じめ…色々作るんです。

野菜の場合も同様に処理していく。たまにパソコンのところに行って、カード変えたくらいにして。洗濯物干して、味見して、昆布じめしたものは冷凍庫に入れて…。

それで札幌の二日間くらいはあっという間に過ぎて、次の取材のアポどりをしてまた出る!みたいな感じでぐるぐるぐるぐるですよね。

その中でわたしはトマト!なんだかトマト欲しいって言ってるみたい!

生産者さんも忙しいときじゃなかったらお話したいんですよ。消費者さんのお話聴きたいんですよね、リアクション欲しいし。

だけど、毎日それぞれから「この日行きたい」「あの日行きたい」って言われてもそれは無理。雨降ったあと、ちょっとでも晴れたら少し外で仕事したいとか、

一人一人対応するのは無理だけど、でも、いたら色々聴いたらいいですよ。朝とか自分の畑の軒先で直売所やっているひともいるので、「この野菜作ったのおじさん?」って、色んなひとから話を聴いた方が、食べるとき美味しくなる。

八百屋でも直売所でも売ってるものを知ってるひとから買いたいですよね。この生産者はこんな風に野菜を作ってるのよってちゃんとお話できるひとから買った方が、こっちも安心だし、生産者もうれしいし、ね。

ひとに食べさせるっていうのは、そこまで責任持った方がいいのかなと思っています。

 

「働く」と「女」

わたし今日話してても働いてる感じに見えませんよね。自分の興味関心で動いて、ありがたいことにフリーランスでやってこれてるっていうのはあるんですけど、周りのひとが楽しく幸せになれればいいなって、自分も幸せになりたいけど(笑)。

でも、今日みたいな場でも、みなさんと一言一言話してみたらどこかに共通点があったりして、こういう場がすきなので、コミュニケーションをうまくとって、周りのひとが楽しくなれればいいなと思っています。お金を稼ぐだけではない、ということですね。

20代のころ、安い旅、バックパッカーをしていたときは男になりたかった。ヒッチハイクとか野外で寝袋で寝るとか、男だったらするし、もっと安く旅行できるのにって思ってた。

何かあったら困ると思って自重してるところがあったんだけど、わたしは男も女もあんまり関係なくて、フラットというか、男だから女だからっていう考えはないですね。

ふざけて「あんた男でしょ」って言ったりするけど、わたしの方が男らしかったりもするから。男だから女だからっていう考えはないです。みんなに「おおまちさんと会って楽しかったね」ってそういう「ひと」レベルでいたいなって思ってます。

 

 

全5回の連載、これにて終了です。

旅のように、出会いあり、流れに身を任せているように見えるおおまちさん。

そのすべてが伏線のようで、人生は面白いと思わせられます。

 

次の「働く女」ではどんな出会いがあるでしょうか?

お楽しみに!