福本亜矢子さんの「自分はダメなんだと思っていたけど」の話(5/5)- エネルギーをもらい、与える「仕事」
5月から毎月最終火曜日にオノベカにて開催しているトークイベント「働く女」。
昔は結婚して家事をし、子どもを育てることが女性の生きる道だとされていましたが、今では女性の生き方も多様化しています。
そんな女性のキャリアについて実際に諸先輩方にお話を聴きたい!と思い始めた会です。
ゲストはテレフォンショッキング形式で決まります。
第5回目のゲストでハニー講師の福本亜矢子さんのおはなし全5回の最終回です。
過去のものも併せてどうぞ!
第1回 わたし何やってるんだろう
第2回 男性に勝ちたい
第3回 もう少し冒険してみたら
第4回 ハニー講師誕生
福本さんにとって「働く」として「女」とは?
「働く」とはどういうことでしょうか。
働くとは生きがいです。わたしの目標は生涯現役でぽっくり死ぬこと。人生はあっという間だと思っているし、そう思って会社を辞めました。
生きがいは仕事だと思っているからこそ辞めたんですよね。いきいきした人生を送るには、仕事はわたしの中でとっても大切なことです。
でもわたしの母は専業主婦なんですよ。それを見てきているから、わたしも専業主婦になるのが幸せなんだと勝手に思っていたんですけど、わたしの性格上違うんですよね。
やっぱり外に出ていかないと、本当に超ダメ人間になってしまうと思っているので、外に出て誰かと関わって、いろんな影響をお互いにシェアしていきたい。
そうすることで、どんどんどんどん自分の成長にもつながるし、おこがましいですけど、もしかしたら誰かの気持ちを上げることもできるのかもしれないし。
多分、そういう風にすることがわたしには生きがいで、ひとと関わっていくことでエネルギーも頂けるし、わたしもあげることができるし、それがわたしが認識する「仕事」なのかなと。
遊びももちろん必要なんですけど、ただ遊ぶだけじゃなくて、仕事を通じてこそそういう気持ちになれるし、活き活きできるなと思いますね。生きがいです。
「女」とはどういうものでしょうか?
女とは…難しいですよね。今まで女性性を否定していた時期があったし、だからこそ、わたしは今「女性」をテーマにお仕事をしているんですけれども。
会社員時代に、男性と張り合ったというか、それに近い気持ちになっていましたけど、結局女性って強いと思うんですよ。
男性も、女性がいるから頑張れるっていうのもよく聞くじゃないですか。
だから、女性らしさというのは全面的に出していった方がいいなというのはすごく思っていて、男性は男性で男性を是非出してもらいたいんですけどね。
最近は草食系とか、ユニセックスとか、男性も女性も「同じ」みたいな時代になっていて、それはそれで素晴らしいとも思うんですけど、なんで性別が違って生まれてきてるんだろうって考えたときに、それぞれの特性を生かすべきなんじゃないかなと感じるんですよね。
わたしは独身ですけど、例えば家庭で女性が活き活きしていると、子どもも旦那さんもきっとニコニコ笑顔でいられると思うんですよね。だから、女性は太陽みたいな存在であるべきだなというか、そうじゃないと社会がダメになっちゃうんじゃないかなと思います。
実は蜂も働きバチってメスだけなんですよ。メスがいるからこそのはちみつなんです。
女性が活き活きしているところは男性も活き活きすると思っているので、自分がいかに活き活きできるか、幸せでいられるか、わくわくできるのか、というのを全女性が考えるようになってくれたら、すごくうれしいなと思います。
女性性を否定していた時期があったとのことですが、女性性を肯定できるようになったのはいつ頃だったんですか?
会社員のときですね。辞める2年前、32くらいです。時間がかかりました。
子どもの頃、兄弟と遊んでいるときに、父が「女の子なんだからお母さんの手伝いしなさい」って、わたしにだけ言ったんです。
絶対それがきっかけなんですけど、「みんなで遊んでるのに、なんでわたしだけなんだろう」って思って、すごく嫌だったんです。
「女性だからって何?」って。父方のおばあちゃんのところに行ったときにも「女の子なんだから手伝いなさい」っていわれたんです。
未だに覚えてるってことは根に持っているのかもしれない。でも、その前からスカート履きたくなかったですね。
なんなんでしょう、不思議ですけど、女だからっていうのがすごく嫌だった。
だから、男のひとと同じような立場でがんばらないとって思っちゃったんですよね。だけど、働いていて気持ちも辛くなったんです。
「一緒に」っていうのは無理だ、ギブアップですね、本当に。
しかも、ばりばり働いている女性の先輩たちがこぞって女性特有の病気にかかったんですよ。
わたしもこのまま一生懸命やりすぎるとこうなるかもしれないって思ったんですよね。
女性って本来は男性みたいに働く機能がないんですって。
だけど無理して、女性特有の病気になりやすいというのを聞いたことがあって、これはいかんなと思ったんです。
身体のために仕事を辞めようと思ったのもきっかけだったかもしれません。
40代後半の方々が病気にかかっているのを見て、共通項は何だろうって考えたら男性社会の中で「バリバリ働いていること」で。
当時そういうテレビ番組もあったんですよね。女性は本来、遺伝子的に家庭に収まるように身体ができていると。
だから無理はできないなと思いましたね。
インドの5千年続く伝統医学であるアーユルヴェーダの中でも、生理中は一切何もしちゃいけないっていうのがあるんです。
それくらい生理中は身体の中でたくさんの働きがあるんですよね。すごく消耗されるんです。だから本来は何もしちゃいけない。
だけど、そういうわけにいかなくて、無理しちゃいますよね。それで身体が悲鳴をあげてしまうということもあるんだと思います。
そういう生きものなら、そういう生きものらしく、ちょっとはしてあげないと体調に不具合が出てしまうんだなと思いましたね。
生理休暇もありますけど、使う風習がなかったから男の上司に言えないじゃないですか。
でも、もっともっと使うような風習になるべきなんじゃないかなと思いますね。生理現象で仕方のないことだし、女性はホルモンに左右されますから。
ホルモンがある以上、女性として生きていかなければいけないと思います。
ホルモンにはアンチエイジング効果もあって、無くなったら一気に老けますからね、ホルモンは大事です。
だから、女性を受け入れて、上手に女性を楽しんで頂きたいなと思って、わたしはサロンをやっています。
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ご覧いただき、ありがとうございました。
次回からは第6回目のゲスト、中西まゆみさんの「働く女」をお伝えします。
お楽しみに!