石田香織さんの「好きなように生きる!」はなし(5/5)-質問コーナー

2018.07.20コラム

5月から毎月最終火曜日にオノベカにて開催している「働く女」。女性の多様なキャリアについて実際にお話を聴く会です。

その第1回目のゲスト石田香織さんのが実際にお話しされたことをを5回に分けて連載いたします。

1回目 転機になった言葉

2回目 食ってなんだろう

3回目 お金の使い方を考える

4回目 周りのひとを楽にする

 

最後はみなさんから寄せられた質問コーナー!

 

―ふだん、わたしたちができることってありますか?

本当に簡単なのは消費行動で、例えば普段コンビニとかでチョコレートを買っているのだとしたら、そのチョコレートを一回でいいからフェアトレード製品に変えてみるとか、それだけでもだいぶ変わりますね。

フェアトレードという認証マークのついた製品があります。大体のカカオ豆の原産国って子どもの強制労働とかがめちゃくちゃ多いんですよね。

強制労働とか、低賃金で働いているひとたちが裏側にいて、生産者たちはチョコレートを食べたことがないというくらいカカオが何になっているか知らない、それこそ何のために働いているのっていう環境で働いているひとたちがすごく多いんです。

フェアトレードのチョコレートは正当な賃金を払おうとか、子どもの強制労働がある現状だったら、子どもたちを無料で通わせるためのプログラムを作るとか、そういうことを積極的にしている農場から作られています。もちろんアメリカや日本、ヨーロッパの支援を受けての農場です。そこでは人権が保たれていて、子どもも勉強ができて、正当な価格でカカオの取引をされています

1枚のチョコレートで300円以上はするんですけど、すごくおいしいです。添加物も入っていないので、日本の100円のチョコレートに比べて質は高いです。そういうものを積極的に買うことで、農場の応援につながるので、消費がどんどん増えていけば、畑が大きくなったり広がりを見せていきます。

最近はイオンやラッキーとかでも売られるようになってきました。前までフェアトレードチョコレートなんて、自然食品店とかにしか売ってなかったんですよ。

フェアトレード製品には「フェアトレード」と書いてあるのもありますし、大体ひとが手を挙げたマークがついているんです、グリーンの。最近見たのはステラプレイスの2階です。アーバンリサーチ。あとコスメキッチンとかでも売ってるんじゃないかな?チョコレートだけじゃなくて、コーヒーやコットン、洋服にもあります。

色んなところにマークがついていたりするので、たぶん手っ取り早いのは自分の消費を変えるというのが一番苦じゃない気がします。

昔、環境活動をやってたときに、節電や節水とかそういうところからいくじゃないですか、マイはしとか、若干苦ですよね。100円のチョコレートが300円になったら若干高い気はしますけど、そこも募金みたいな気持ちで買ってもらえれば味はすごくおいしいので食べてみてもらいたいと思います。

 

―バースカフェのことをきいてもいいですか?

バースカフェは、命の誕生の喜びと感動を分かち合う場として2か月に1回くらい不定期で会場を借りて開催しています。

出産にまつわるエピソードを話したり、助産師さんや専門家の方を呼んでお話を聴いたりしています。それこそ食とバースカフェとどういうつながりがあるのか説明するのは難しいとも思ったんですけど、環境活動とか社会的な活動をずっとやっていると、あるとき気付く瞬間があるんです。「これ意味ないな」って。

なんでかというと、例えば植林するとか、マイはしを使うとか、すべてが対処療法なんです。木がなくなってしまうから植林をするというのは根本の原因解決にはなっていなくて、木が無くなるという現状はどういう風にしたら変えられるんだろうという疑問にぶちあたるんです。

それで色々考えたときに、自分たちの命をもっと大切にするひとが増えれば、隣のひとや国のことを考えた行動をできるはずだという仮定をしたんです。

ボランティア活動をする中で、一緒に活動しましょうって声をかけても、「ひとのこと考えている余裕ないわ、自分のことで精いっぱいなんで」っていうひとたちがたくさんいたんです。

そういうひとたちが多かったということもあって、もっと自分の命を認めることから始めないと、環境問題も、戦争や平和の問題に対しても根本解決には絶対にならないなと思い、心のこと、命のことに取り組もうと決めました。

当時、一緒に活動していた友だちが自然なお産をしたんです、病院を介在せずに自宅で。いつ生まれるのか予定日もわからないような、そのくらい自然なお産をして、それはすごく神秘的で、感動体験だったんですよね。彼女がその出産のお話をいろんなひとにしたいということで、赤ちゃんってこんな風に生まれてくるんだよとか、自分の感情の変化だとかをお話する会を始めたんです。

聞きに来るのはだいたい出産が終わって子育て中のお母さんなんですけど、あるときみんなで感想をお話するタイミングでものすごく涙したお母さんがいたんです。色々話を聞いていたら、妊娠中に中絶をしてしまって、自らの手で子どもを殺してしまったことをすごく悔やんでいて、今まで誰にも話せなかったということをカミングアウトしてくれたんです。その場にいるひとたちが、お子さんの有り無しはいろいろでしたが、実はわたしも…というひとがすごくいたんです。中絶したひとも、流産してしまったというひとも。

そのときに、自分ひとりで抱え込んでいたと思っていた問題が実は同じように悩んでいるひとがたくさんいるんだと気づきました。自分で自分を責めてしまうとすごく苦しいけれど、女性たちが集まる場で話して同じ境遇のひとたちがいると、自分ひとりだけが悪いんじゃなかったんだという風に思えて、前を向けるようになるというシーンを見たときに、「これ日本中でやろうよ」というスイッチが入ったんです。それがバースカフェの始まりです。

 

 

これを世界中でやっていこうっていうときに震災があったので、そのときは動けなかったですけど、2013年くらいから徐々に全国各地でバースカフェをやり始めて、かれこれ5年くらい経ちました。これは仕事というより活動という感じです。

今では世界中に広がりを見せ、アメリカ・韓国・イギリスなどで開催していて、やっぱり世界共通でお母さんたちは悩み苦しみんでいるひとがすごく多いです。特に日本では、障害を持って生まれて来た子のお母さんたちが、自分が妊娠期間中に何かしてしまったんじゃないかとか自分を責めて責めて責めまくっていることが多いです。

なので、バースカフェの中では今日まで生きてきたことはあなたにとってパーフェクトなことで、障害を持って生れて来た子は実は障害を選んで生まれて来ているんだよとか、お母さんを助けたくて生まれてきているんだよというポジティブメッセージを与えて、お母さんたちを元気にするということもやっています。原点は環境とか平和とかそういうところです、実は。

 

 

これで石田香織さんの「働く女」の書き起こし連載終了です。

日常の思考方法を少しずつでいいから変えていくということが、お話をきいていて特にプラスになったことでした!

みなさんの生活に活かせそうなお話はありましたか?

今後もお楽しみに♪