木工と飲食、どちらも大切-木工作家・足立唯インタビュー
オノベカと木工作家・足立唯さんとの出会いは2014年。
オノベカ主催の冬のイベント「オノベカ森のクリスマス」でのご出店をお願いしたのでした。チーズの形のカッティングボードが印象的だったのを覚えています。
6-8月開催のワークショップ「暮らしを彩る木のものづくり」を前に、足立さんへインタビューをしました。
–足立さんはいつから木工をやっていますか?
わたしが木工をはじめたのは札幌の高等専門学校(以下、高専)に入学してからです。入学して3年間は様々なことをまんべんなく学んで、4,5年生でコースに分かれていました。そこで木工もある工芸コースを選び、卒業制作は木工でした。
–工芸コースの中でも木工を選んだ理由って何かあったんでしょうか?
3年生までの間に、様々な素材に触れたのですが、手に触れるものがなんとなく木工のものが多かったんです。家具とかも作りましたよ。3歳上の姉も高専の出身で、姉とは違うコースにしようというのもあったのかもしれないです。
–木工の魅力ってなんですか?
違うものに作り直すことができるところだと思います。物を作っていてなんなんですが、わたし自身は所有欲がないんです。陶芸だと一度焼いてしまったら土に戻らないけれど、木は作っても壊すことができるし、最終的には薪として燃やせる。色んな用途ができるのがいいと思っています。あとは、自宅にひいおじいちゃんの精巧な木彫りのものが残っていたんですよね。それを見たときは、ひいおじいちゃんの血を受け継いだのかもしれないと、思わずにはいられませんでした!
–高専を卒業してからはどんなことをしてきたのですか?
高専を卒業してからは飲食業に従事しながら、同級生たちと作品のグループ展などを行っていました。飽き性だからひとつのことを続けられないんです。でもしばらく二足の草鞋の生活を続けていたら「飲食店のものを木工で作って~」とか、徐々に二つの分野がつながってきている感覚があります。最近聞かれて困るのは「本業は何?」ときかれることですね(笑)。わたしとしてはどちらも大切です。
–最近はオノベカでもチーズの授業(レポートはこちら)をしてくださいましたよね!
飲食店をやっている中で、チーズの生産者さんと出会い、それがご縁で現在はチーズの販売なども行っています。
–卒業してからも制作を続けるのは大変ではなかったですか?
工房を探すのが大変で、制作がストップした時期もありました。6,7年前はオノベカ近くの知人の工房を借りていたんですよ!そこを離れてからも、なんとか工房を構えることができています。働きながらも、住んでいるマンションに窯を置いて陶芸をしている同期がいたりして、刺激になっています。
–これからの夢はなんですか?
今もそうですが、行きたいところにいつでもいける身軽な自分でいたいです。安定が嫌なんです、不安定でいたい。常に冒険してたいですね!
足立唯さん、ありがとうございました!
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