ごはんを作るようにガラス作品を作りたい-ガラスアクセサリー作家・kaoインタビュー
オノベカとkaoさんとの出会いは2014年にさかのぼります。
この年に、オノベカを会場に行われた雑貨マルシェにご出店しており、それをご縁に、オノベカ主催の冬のイベント「オノベカ森のクリスマス」でのご出店をお願いしたのでした。
くすみのあるガラスの、色とりどりのシンプルなイヤリングにピアス。
女性なら誰しも目にとめるのではないでしょうか。
5/19・26(土)に実施するワークショップを前に、kaoさんへインタビューをしました。
-kaoさんはいつからガラスをやっているんですか?
大学ではインテリアデザインを専攻していたのですが、授業の一環でガラスの簡単な制作ができる設備がありました。本当は2,3年生の授業じゃないと教えてもらえないのに、無理を言って1年生の時に道具やガラスの扱い方について教えてもらいました。それからは毎日ガラスの部屋にこもって、実験を積み重ねていました。「どうして割れちゃったんだろう?」とか。今思えばなんですぐ本やインターネットで調べなかったんだろうって思うんですけど(笑)。
–そもそもガラスとの出会いはいつなんですか?
実は小学校の頃の夢が「ガラスをやりたい!」というものだったんです。当時は作家も職人も、何もわかっていなかったのですが。家族でいろんなところへ行ったときに、色んな工房を見たりもしていたので、その影響もあったのかもしれません。でも記憶に残っている最初の出会いは4歳のときのことで。
-4歳のこと、記憶に残っているんですか?
はい、はっきりと。4歳のとき、お祭りできれいなガラスの赤いネックレスを欲しがって、親に買ってもらったんです。小さいころ、今もですけど、キラキラしたものがすきだったんですね。それで、お母さんに、「ここで袋を開けたら、絶対に落としちゃうからおうちに帰ってからね」と言われていたのにどうしても我慢できなくて家の前で、落として割れてあっけなく壊れてしまったんです。ショックというか…でもきれいで…。
–ものすごい記憶ですね。その記憶もあってガラスの道に進まれたんですかね。大学をご卒業されてからはどのようにご活動されていたんですか?
大学ではガラスの照明やカーテンなどのあくまでインテリアっぽいものを制作していました。吹きガラスを含めいろんな技法やガラスの基礎を学びたいと思い、富山のガラスの学校へ行くことになりました。周りにも工房がいくつかあって、実際に学校周辺で就職していくひともいました。
–でもkaoさんは?
工房に入ってしまうと、技法などが限定されてしまって、それしか作れなくなっちゃうんですよね。そういうことに縛られたくなくて、富山からは離れました。とても素晴らしい環境ではあったのですが、海外の学校や工房にも興味があり、さらに視野を広げたくて充電期間も含めてその時実家のあった札幌に移動してきました。
-kaoさんの思うガラスの魅力ってなんですか?
キラキラした表情やずっしりした重み、簡単に割れてしまう儚さ。透き通った色も好きなんですよね。見ていていつもわくわくします。
–これからどんな作品を作っていきたいですか?
何を作るというのにしばられたくないです。だけど、自分からデザインを考えるのはあまり得意じゃないので、誰かからお題をもらって、その枠で考えていく方が自分には合っているような気がします。思わず触りたくなるような、自分で作っていても心躍るようなものを死ぬまで作り続けたいです。
–本当にガラスがすきなんですね。kaoさんのinstagramを見ていたら、いつ寝てるんだろう?って(笑)。
色々試したくなっちゃうんです。夢中になって、気がついたらチュンチュン鳥が鳴いてたり…(笑)。実はわたし、作家になりたいと思ったことはないんです。ただ、つくりたいものをつくりたいんです。今日のごはん何にしようか、スパゲッティにしよう!とか、そういうのと同じです。今日作りたいもの、欲しいものを作っていきたいです。
kaoさん、ありがとうございました!
(文責:中脇まりや)
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